7月26日 第7回中城村議会(臨時会) 所信表明
令和6年第7回中城村議会臨時会の開会にあたり、提案いたします議案のご説明に先立ち、村政運営に関する
私の所信の一端を申し述べさせていただきます。村議会議員各位および村民の皆様のご理解とご協力をお願い
申し上げたいと存じます。 始めに、浜田前村長におかれましては、4期16年間にわたり中城村発展のためご
尽力賜りましたことに対し、深く敬意と感謝の意を表す次第でございます。
去った6月16日に行われた中城村長選挙におきまして、村民の皆様の負託を賜り、第30代、そして中城村初
の女性村長として村政のかじ取りを担わせていただくことになりました。 村民の皆様にご信任をいただきまし
たことに、心から感謝いたしますとともに厚く御礼を申し上げます。 今後は村長として中城村の更なる発展の
ために全力で取り組み、歴代の村長、議会、村民の皆様が築き上げてきた中城村のまちづくりと、新たな村政
運営に向けて邁進する所存でございます。
7月4日付けで中城村⻑に就任いたしましたが、これから「村民の目線」「村民の立場」に立った村政運営を
進め、中城村に新しい風を吹かせ「明るく元気な中城村」にすべくこれから申し述べる各種施策に取り組んで
まいります。
まずはじめに「笑顔あふれる環境づくり」としまして
1 沖縄県と共に給食費の無償化を実現
沖縄県は2025年度から県立及び市町村立中学校に通う中学生の学校給食の無償化に向けた支援事業を実施
することを玉城県知事が表明をしており、今後沖縄県と各市町村教育委員会において事業の詳細な制度設計
が行われることとなります。本村としましても沖縄県の動向を踏まえつつ、こども達の健やかな成長と子育
て世帯の支援の観点から県の支援事業を活用し、次年度から学校給食における負担軽減に向け、取り組んで
まいりたいと思います。
2 児童から高齢者まで利用できる多世代交流施設の整備
現在村内にはこどもの第3の居場所づくりによる施設や各公民館において高齢者に対するふれあい事業な
どの取組みが行われておりますが、その利用対象は一部の村民に限られている場合もあります。児童から高
齢者まで誰でも自由に気兼ねなく利用できる多世代交流施設を整備したいと考えております。
多世代交流施設を整備し、多様な世代間の交流が行われることにより、中城村に根付く歴史や文化の継承
や地域コミュニティが強化され、笑顔の絶えない明るい村が形成されていくと考えております。
3 全ての方が積極的に活躍できる場の充実
国連において2015年に採択されたSDGsの取組みは世界各国、日本はもとより各市町村においても様々
な取り組みがなされております。中城村においてもSDGsの掲げる「誰一人取り残さない」という理念に
基づき、性別や障がいの有無等に関わらず、全ての方が積極的に活躍できる場の充実を図ってまいります。
次に「魅力あるまちづくり」といたしまして
1 村内農家の新鮮な野菜などが購入できる直売所の設置
中城村の基幹産業である農業の振興は村の重要な課題と認識しています。下地区には広大な農地が広がり、
様々な規模で農産物が生産されております。特に小規模な農家の方はその出品場所についても苦慮している声
が聞かれます。農家の方が生産した新鮮な野菜を多くの人に購入していただく場を設けることは下地区におけ
る買い物支援にも繋がることから、直売所(仮称「ごさマルシェ」)を早期に設置したいと考えております。
2 世界遺産「中城城跡」を核とした中城村の魅力を国内外に発信
中城村には世界に誇れる遺跡として「中城城跡」を有しています。国指定の史跡でありかつ世界遺産にも登
録されている中城城跡はこれまでも様々な利活用がなされています。今後も中城城跡を核としたイベントの開
催や村内観光プランを検討し、中城村の魅力を国内外に広く積極的にPRしていきます。
続きまして「住みたい村・住み続けたい村」といたしまして
1 高齢者の居場所づくりと住み慣れた地域での生きがいづくり
これまで、中城村では子育て支援策など様々な施策が展開されております。その取り組みは継承しつつ、今後
は高齢者が住みやすい村としての取組みも推進してまいります。先に申し述べた多世代交流施設の整備に加え、
各公民館における事業の充実等を図り、住み慣れた地域での生きがいを創出し、「高齢者も元気な中城村」を確
立するために取り組んでまいります。
2 地域公共交通の拡充
平成27年度より運行を開始した護佐丸バスは、民間路線バスの少ない中城村にとって村民のかけがえのない
交通機関として定着しております。また、沖縄県においては慢性化する渋滞の緩和や二酸化炭素の排出抑制、
公共交通の利用率向上を図るため様々な施策に取り組んでおり、県民の足の一つである沖縄都市モノレール
「ゆいレール」の浦添市への延伸もその一環であると認識しております。中城村から那覇市・浦添市方面への
通勤・通学や、那覇空港からの観光客によるモノレール利用を考慮し、てだこ浦西駅との結節の可能性につい
て検討してまいります。
3 中部広域都市計画への移行と北中城村との共同まちづくりなど村民が誇りに思える新たなまちづくりへの取組み
今後の新たなまちづくりの重要な事項として、中部広域都市計画区域への移行がございます。中城城跡を核と
して進めていく北中城村との共同まちづくりについてさらに深化させ、都市計画区域移行についても継続して取
り組んでまいります。
最後に「平和で安全・安心な中城村」といたしまして
1 中城村・平和の日を制定し、平和教育を推進
多くの犠牲を出した沖縄戦から、来年で80年の節目を迎えます。現在も日本全体の75%もの米軍施設がこの
小さな県土に集中しています。日本で唯一地上戦が繰り広げられた沖縄戦の悲惨さを正しく認識し、命の尊さに
ついて後世に語りつぎ、平和教育をさらに推進するため、「中城村・平和の日」の制定に向けて検討してまいり
ます。
2 災害に強いまちづくり
台風の大型化や集中豪雨、頻発に発生する地震等、いつ起こるか分からない災害についての備えや、発生時に
おける迅速かつ的確な対応が求められます。東側地域は津波や土砂災害、西側地域についても崖崩れや土砂災害
など中城村では様々な災害への備えが必要となります。今後の災害に対応すべき組織体制の強化も含めて、村
民が安全・安心に暮らせる災害に強いまちづくりに向けた取組について推進してまいります。
以上、僭越ながら中城村長としての所信の一端を述べさせていただきました。これから私が先頭に立ち、すべて
の村政に関わるかじ取りとして、職員とともにこれからの村政について、確実に推進し、「村民の目線」「村民の
立場」に立った村政運営に心がけてまいります。村民福祉の向上と次世代を担う子どもたちの明るい未来のため、
議員各位には一層のご協力とご指導をたまわりますようお願い申し上げまして、所信表明といたします。 どうぞ
よろしくお願いいたします。
令和6年7月26日 中城村長 比嘉 麻乃